
40代になってから、食べるものが少しずつ変わってきた。
とくに感じるのが、脂っこいものと、辛いものや刺激の強いもの。
以前はどちらもかなり好きなほうで、ラーメンの替え玉も、辛いものを追加でかけるのも、特に何も考えずにやっていた。
それが最近、なんとなく「今日は重いかもな」と一歩引いてしまう自分がいる。
嫌いになったわけじゃない、避けるようになった
食べ物が嫌いになったわけではない。ラーメンを見れば今でも食べたいと思うし、辛いものにそそられることもある。
味覚が変わって「まずい」と感じるようになったわけではない。
変わったのは、食べる前に考える時間が増えたことだと思う。
自分の場合、食べたいと思った瞬間に、頭のどこかで別の自分が聞いてくる。
「これ食べたあと、お腹痛くならないか?」
「胃もたれしないか?」
「明日だるくならないか?」
「食べすぎて後で罪悪感持たないか?」
若い頃は「食べたいから食べる」で完結していた。
今は「食べたい。でも、そのあとは大丈夫か?」というワンクッションが挟まる。
このワンクッションのせいで、結果的に避けてしまう場面が増えた気がする。
最初は「歳のせい」だと思っていた
正直、最初のうちはこれを単純に老化として捉えていた。
「もう若くないから食べられなくなったんだな」と、多少寂しい気持ちで受け止めていたと思う。
好きなものが少しずつ遠くなっていく感覚は、あまり気持ちのいいものではない。
今でも「昔みたいに気にせず食べられたらいいのに」と思う瞬間はある。
体重の変化で、少し見方が変わった

そんな中、体重にも変化が出てきた。食べるものと量が自然と変わったことで、以前より落ち着いてきたのだ。
そこで初めて、「食べられなくなった」という捉え方だけでいいのか、と考えるようになった。
もしかすると、以前が単純に食べすぎだったのではないか。
量も、脂っこさも、刺激の強さも、20代・30代の身体に合わせたまま、40代の身体で続けていただけなのではないか。
そう考えると、「食べられなくなった」というより、「今の自分に必要な量に、ようやく近づいてきた」という見方もできる気がしてきた。もちろん、これが正しいのかどうかは自分でもまだよくわからない。ただ、そう考えるようになってから、気持ちは少し楽になった。
逆に、前よりおいしく感じるようになったものもある
食べられるものが減った、という話だけで終わらせたくないので、もうひとつ書いておきたい。
自分の場合、寿司や刺身、そば、うなぎといった食べ物が、以前よりずっとおいしく感じるようになった。
脂っこいものや刺激の強いものから距離を置くようになった一方で、こうした食事に対する満足感は明らかに上がっている気がする。
若い頃は「量を食べること」自体が満足につながっていた部分があったと思う。
今は、量よりも「これが食べたかった」と思えるものを、きちんと味わって食べたときのほうが満足度が高い。
食の楽しみがなくなったわけではなく、楽しみ方が少しずつ変わってきたのかもしれない。
今の自分に合った食べ方を探している
振り返ってみると、40代になって食の好みが変わったことは、悪いことばかりではなかったように思う。
もちろん、昔と同じように何でも気にせず食べられたら、それはそれで楽だっただろう。
その意味では、多少の寂しさは今でも残っている。
ただ、それをきっかけに、自分がどれくらいの量を、どんなものを、どんな気持ちで食べたいのかを、
あらためて考えるようになったのは事実だ。
「昔と同じように食べられない」で終わらせるのではなく、「今の自分に合った食べ方を探している途中」くらいに捉えておくのが、自分にはちょうどいい気がしている。
同じように、最近食が細くなったり、脂っこいものが重く感じるようになった人がいたら、それは案外、悪いことばかりではないのかもしれない。