
こんにちは、ふぉあぐらです。
今回は、多くの会社員が一度は感じたことがあるであろう「辞めたいのに辞められない」という心理の裏に潜む、 "賞与という名の罠"について書いていこうと思います。
賞与(ボーナス)。これは頑張った自分へのご褒美であり、生活の足しになるありがたい制度。
でも、実はこれが会社側からの巧妙な“引き止め装置”として機能している可能性があること、 気づいている人はどれだけいるでしょうか?
■ 1年は「辞める理由」より「辞めない理由」で埋まっている
年度の流れで、辞められない理由を俯瞰してみましょう。
- 4月・5月:「ゴールデンウィークもあるし、辞めるのはタイミング悪いな」
- 6月:「もうすぐ賞与があるから、今辞めるのはもったいない」
- 7月:「お盆休みもあるし、まとまった休みをもらってから辞めよう」
- 9月:「シルバーウィークもあるし、今動くのは損だな」
- 10〜11月:「冬の賞与がそろそろ。さすがにここで辞めるのは惜しい」
- 12月:「年末年始の長期休暇があるし、ここまで来たら休んでから…」
- 1月:「新年早々辞めるのは印象が悪いな」
- 2〜3月:「年度末に辞めると職場に迷惑かけるから、今はやめておこう」
……というように、1年間のほとんどが“辞めない理由”で占められてしまうのです。
■ 賞与のタイミングは“意図的に”設計されている?
多くの企業が賞与を「夏(6月〜7月)」「冬(12月)」の年2回に設定しているのには理由があります。
- 半年ごとの“節目”で社員に「頑張った報酬」を与える
- 一定期間在籍しないと賞与が支給されない
- 賞与の時期を避けて辞めると“損をする感覚”になる
つまり、賞与のタイミング=辞めづらくするための設計とも捉えられるわけです。
「お金がもらえるから続けている」という感情が、「本当は辞めたいけど今じゃない」にすり替わっていく。 気づけば、賞与を軸に“辞められないループ”に取り込まれているのです。
■ 「辞める辞める詐欺」に陥る人たち
よく耳にしませんか? 「俺、いつか辞めてやるから」と言ってる人に限って、5年、10年と会社に残っているという話。
これは、その人が嘘をついているのではなく、賞与や連休などの“辞められない装置”に縛られているからです。
辞めるには決断と準備が必要です。 でも、ボーナス・連休・年末年始・業務の引き継ぎなど、あらゆる“都合の悪いタイミング”がそれを阻む。
こうして人は「今じゃない」を繰り返し、気づけば年齢だけが積み上がっていくのです。
■ では、どうすれば抜け出せるのか?
答えはシンプル。
「辞めるなら、辞める時期を先に決めてしまうこと」
賞与の前でも後でも関係なく、自分が一番納得できるタイミングで決めてしまう。
賞与をもらうことを目的にすると、辞めるタイミングを毎年失い続けます。 逆に、賞与を“手放す覚悟”をした人こそ、新しい人生を切り開けるのです。
お金の問題は確かに大きい。 でも、「今の自分を縛っているのは賞与という目先の報酬ではないか?」と問い直す勇気が必要です。
■ 終わりに:賞与は“金の手錠”になっていないか?
もちろん、賞与は社員への報酬でありモチベーション維持に有効な制度です。 ですが、使い方を間違えると**「行動力を奪う足かせ」**になります。
「辞められない理由」があるうちは、人は変われません。 でも「それでも辞める」という選択をした瞬間から、自分の人生に責任を持ち始めるのです。
賞与をもらって嬉しいと思う気持ちの裏に、 「もしかして自分は、この会社に金でつなぎとめられているだけなのでは?」と、 一度問い直してみてもよいのではないでしょうか。
あなたの未来が、過去の延長線ではなく「意思ある決断」によって形作られることを願っています。